審判講習会 ★ ステージ1 |
case 1 |
1死で一塁走者が二塁へ盗塁した。捕手は打者に妨害されながら二塁へ好送球。二塁は間に合わないと思って引き返そうとした一塁走者を守備側が一二塁間に挟んでランダウンプレイとなった。ところが、遊撃手の送球が悪送球となり一塁側ファウル地域に転がってしまう。その間に走者は二塁を回って三塁まで達した。
こんなとき、あなた(球審)はどのように判定するか?
打者に守備妨害を宣告するとしたら、どのタイミングで宣告するのか?それとも放っておくのか‥‥。守備側のどのプレイが妨害されたのか、そこに着目してほしい。 | |
case 2 |
走者一塁の場面、打者が打ち上げた打球はスタンドに入るファウルボール。ボールデッドとなり、投手があなた(球審)から新球を受け取り、投手板付近に戻った(投手板を踏んでいない)時点であなた(球審)はプレイを宣告した。離塁したまま塁に戻らない走者に気づいた投手は投手板を踏んでいない状態から一塁へ送球して走者を刺した。
この場面、あなたはどう処置するか?
まず、あなた(球審)は重大なミスを2つも犯してしまったことを把握しなければならない。審判の信頼性を損なうような2つのミスとは何か。そして、今あなたの取るべき適切な処置は? | |
case 3 |
1死三塁で打者(左打者)はスクイズ。打者の両足はともに打者席内にあった。走塁のため片足(右足)が打者席を出たところで、打者走者の一塁線上に踏み出したその右足に打球が当たって投手正面に転がった。しかし、投手は本塁は間に合わないと見て、一塁へ送球した。
さて、あなたはどう判定するか?
あなた(球審)は常にボールから目を離してはならない。このケースのチェックすべきポイントは、打者がどのような状態で打球に触れたか、その一点である。 | |
case 4 |
1死走者なし。2ストライク後、打者が打った球がバットをかすめて捕手の胸を直撃したようだ。捕手は球が地面に落ちる寸前に捕球に成功し、あなた(球審)にアピールしている。
あなたはどう判定するか?
実はこのケース、上の文章だけでは読み取りにくいある条件のもとに、あなた(球審)の判定の選択肢は2つある。一瞬の出来事ながら、チェックすべき重要な条件を万が一見過ごしてしまうと、正しい判定は不可能になるのだ。捕手とあなただけが知りうるその条件とは何か。 | |
case 5 |
無死満塁、打者は投ゴロを打った。投手の本塁送球で三塁走者がフォースアウト。捕手が一塁に転送して併殺を狙ったが、ファウルラインの内側を走った打者走者の背中に送球が当たってしまう。あなた(球審)は打者走者を守備妨害でアウトと宣告した。
打者走者アウトで2死、ここまではよい。問題は、一塁走者と二塁走者の進塁を認めるのか、認めないのかである。
あなた(球審)はルールに乗っ取った的確な判断が求められている。2死ながら、走者二三塁になるか、ならないかでは大違いだ。さあ、あなたの判定はいかに? | |
case 6 |
走者三塁で、カウント2−2のとき、三塁走者が本盗するのを見た投手はセットポジションから軸足を投手板の後方に外して捕手に送球した。打者がこの球を左前に安打したので、三塁走者が生還。打者は一塁へ出塁した。
さて、あなたはどう判定するか?
あなた(球審)は、まず投手の軸足の動きに着目しなければならない。正規の投球ではない本塁送球を打者が打った場合、どう判定すればよいか?同時に、あなたはアウトカウントを確認しておかなければならない。左手のカウンターの数字に応じて、打者と走者に対する判定が違ってくるはずである。 | |
case 7 |
1死一二塁で打者は遊撃手の後方へ飛球を打ち上げた。遊撃手、左翼手のどちらかが捕球すると思った二塁走者は二塁上に止まっていたが、遊撃手と左翼手の間に落ちる安打になると思った一塁走者は二塁へ向かった。結局、左翼手が落球。すぐ二塁へ送球すると、二塁上に二人の走者がいたので、二塁手は二人の走者にタッグした。
この場面、あなたが二塁塁審ならどう判定するか?
少なくともどちらか一方の走者はアウトである。状況を冷静に考えれば、おのずと答が出るはずだ。 | |
case 8 |
無死一二塁で、打者は内野フライを打ち上げた。一塁塁審がインフィールドフライを宣告した。しかし、一塁手が落球したため、走者が進塁を企てると、あわてた一塁手が三塁へ悪送球。二塁走者が生還し、一塁走者は三塁へ、打者走者は二塁へ進んだ。
さて、このままでよいか。あなたならどう判定するか?
インフィールドフライが宣告されているケースであることを起点に考えれば、正しい判定は導き出せる。 | |
case 9 |
1死二塁で打者は遊ゴロを打った。守備側は二塁走者を二三塁間に挟んだ。球を持った三塁手が走者を追い詰めると、走者が走路外に離れ大きく回り込もうとしたので、三塁手は追うのをやめて球を持たない右手で走者を指差しながら、あなた(三塁塁審)に「3フィート以上離れたため」アウトではないかとアピール。二塁走者は三塁へ進んだ。
さて、あなた(三塁塁審)はどうするか?
明らかに走者は塁間直線から3フィート以上離れていた。走者はアウトか、それとも走者セーフで三進を認めるのか。 | |
case 10 |
1死一三塁で打者は二ゴロを打った。前進守備の二塁手がこのゴロをトンネル。すぐ後方を二塁に向かって走っていた一塁走者の足に打球が触れて、中前に抜けていった。三塁走者は生還、一塁走者は三塁へ達した。
あなた(二塁塁審)はどうするか?
実際の試合では、なかなか起こらないという意味で難易度の高いジャッジになるだろう。一塁走者は即アウトになると考えがちだが、ある条件下で一塁走者はアウトになったり、ならなかったりするのである。審判団で協議して結論に導くのがよい。 |
|