[5回表]松山商
8番平岡、9番田中は、相変わらず太田の球にまったくタイミングが合っていない。前の打席と同じく二者連続三振を喫して2死。しかし、1番キャプテン大森は太田の配球を読み切りました。外角球を狙いすましたように叩いた打球はキレイに一二塁間を抜いて右翼手谷川の前に転がっていきます。《2死一塁、走者は100メートル11秒代の俊足・大森。相手バッテリーがスチールを警戒してくるケースだが、構わず一色監督のサインは“走れ”だ。太田から長打は望めない以上、とにかく走者を二塁に置いて攻めたい。》大森は初球から走って二盗成功。今度は二塁送球した小比類巻の球が高く行って悠々のセーフ、2死二塁。続く2番福永が叩きつけた打球は一塁手菊池のグラブをはじいた。取れない!大歓声だ、さあ大森が俊足を飛ばして三塁を回ったぞ。転がった球を二塁手の滝上がバックアップしている、間に合うのか?一塁へトスする!ベースカバーの太田と福永が競争だ、どっちだ?アウト!?‥‥アウトです。滝上のファインプレイだ!一瞬早く太田が一塁ベースを駆け抜けました。3アウトチェンジ。三沢高校は再三のピンチを三たび好守で切り抜けています。
[5回ウラ]三沢
5番菊池が中飛で1死後、6番の高田が遊ゴロ内野安打で出塁。三沢高校は2回以来の久しぶりの走者が出ました。《1死一塁、井上から連打は難しいと見るや、田辺監督はここで動いてきた。》高田は次の初球にスタート。盗塁を察知していた松山商業バッテリーが外角にウエストして二盗を阻止に行く。タイミングはアウトだったが、遊撃手樋野がポロリ。盗塁成功で1死二塁、今度は三沢高校に先制のチャンスが巡ってきました。続く7番谷川は井上の渾身の内角ストレートに詰まって三ゴロ、二走高田の進塁を許さず2死二塁。走者を背負って井上の集中力はますます高まっていくようです。8番滝上はバッティングをさせてもらえずカーブに空振り三振。高田は二塁に完全にくぎ付け、残塁で3アウト。
両軍、足攻を絡めて得点のチャンスをうかがいますが、互いに譲らず守り切りました。試合は中盤5回を終了して0−0。 ※本文中の《青文字》はベンチの采配・作戦の狙いをシミュレーションしています。
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